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貿易戦争の引き金となり得る貿易不均衡は、「米国製」とされる製品の輸入である事を示す
2018-04-02
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中国からの最大輸入品である電気・IT製品が主な要因だが、その貿易不均衡の大部分を占めているのが、実は「米国製」とされる製品の輸入である事を、アイフォーンは示している。そうした製品の多くは、部品に世界的なサプライヤーを使い、中国で組立て、世界中に出荷している。最新のアイフォーンXについて、金融データ会社HISマークイットの試算によると、部品コストは計370.25㌦。その内、110㌦は、韓国サムスン電子製のディスプレイ費用に充てられている。又、東芝と韓国SKハイニックスのメモリーチップ代に計44.45㌦が計上されている。台湾や欧米のサプライヤーからも調達している。一方、鴻海精密工業の中国製造子会社フォックスコンのような委託製造業者による組立てコストは、製造コスト全体のわずか3-6%にすぎないとみられる。 だが現在の貿易統計は、中国の輸出額として製造コストの大半を計上しており、そのためWTOのような世界的機関は付加価値ベースなど別の算出方法を検討している。調査会社カウンターポイントとHISカークイットのデータによると、アップルは昨年、米国向けにアイフォーン6,100万台を出荷している。又、アイフォーン7と同7プラスをそれぞれ1台製造するのにかかる費用は平均258㌦だった。 概算でアイフォーンシリーズは昨年、米国の対中貿易赤字に157億㌦を加算した事になる。それは対中貿易赤字全体の約4.4%を占める。又、中国から米国に輸入される携帯電話や日用品総額700億㌦の約22%に相当する。