金融・経済ニュース
グローバル金融危機を受けた中国の景気減速は、政策の不手際が原因
2019-02-25
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ピーターソン国際戦略研究所のラーディー氏は新刊「ステート・ストライクス・バック(国有企業の逆襲):中国の経済改革は終わったのか」の中でそう分析している。
中国の成長率は金融危機前の4年間に年平均12%だったが、2015年以降は7%弱に落込んだ。ただ、減速には避けようがない面もあった。ラーディー氏によると、元安や高い貯蓄率、巨額の貿易黒字で加速した成長が、より持続可能な水準に戻った事で、減速の半分は説明がつく。
この著作の核心は「回避可能だった」残り半分を解き明かしている点にあり、その大部分が国有企業の復活だ。ラーディー氏によると、企業向け融資全体に占める国有企業の比率は2011年に28%だったが16年には50%余りに上昇。一方で民間企業向けの比率は半分強からわずか11%に低下した。要するに資源の配分ミスが起きたのだ。発展途上国では通常、先進国並みを目指す急成長がいずれ勢いを失うものだが、中国はまだその段階に近づいていない、という。
ラーディー氏によると仮に中国政府が改革を再開すれば更に20年間に渡り8%以上の成長を続ける事が可能だという。