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IEA(国際エネルギー機関)、「世界エネルギー見通し」発表(13日)
2021-10-18
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2050年に世界の温暖化ガス排出を実質ゼロにするには、30年時点で石炭を20年比で5割、石油を2割それぞれ減らす必要があるとの見解を示した。現状の施策では実現には遠く、各国に取り組みを強化するよう求めた。石油は30年に2割減り、50年に4分の1になる。比較的排出量が少ない天然ガスは30年には1割弱減る程度だが、50年には半分弱になる。再生可能エネルギーは最大の供給源となり、50年時点では67%を占め、太陽光は20倍強、風力は15倍になる。
ただ、欧州では天然ガス価格の上昇に加え、風力発電で十分な風が得られず需給が逼迫した。再生エネの拡大には安定供給をどう確保するかが課題となる。運転中は排出のない原子力は2倍と、エネルギー供給の11%を占める。IEAは公表した世界エネルギー見通しで、脱炭素に向け年間4兆㌦(約450兆円)の投資が必要との見解を示した。現状の3倍以上に当る水準。再生可能エネルギーや水素などへの投資を加速させる必要性を説くが、世界では石炭利用を増やすなど逆行する動きもある。
IEAは10月31日に英グラスゴーで開幕する第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)を控え、今回のエネルギー見通しを「COP26のガイドブック」と位置づけた。今回の報告書では、気候変動とエネルギー利用の関係性により焦点を当てている。