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次期日銀総裁候補となった植田和男氏、衆院が開いた所信聴取で、現行の金融緩和を続ける基本姿勢を強調しつつ「必要に応じ」黒田総裁が10年近く続けてきた異次元緩和の検証作業に着手する考えを示した(24日)
2023-02-27
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長期金利を固定する「イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)」でも副作用の存在を認め、修正には「様々な可能性」があると指摘した。
安全運転に努めるなかでも、異次元緩和の「副作用軽減」が植田日銀の当面の焦点になる事がみえる内容だった。
冒頭の所信表明で植田氏は、過去の日銀の金融政策を振り返る中で「私はこれらの立案過程に他の政策委員と相談しながら主に理論面から参画した」と語り、「例えば時間軸政策はその後、欧米の中央銀行でも『フォワードガイダンス(政策の先行指針)』などとして採用されるなど、世界の金融政策の標準にもなっていった」と言及した。
植田氏は所信のまとめで「新日銀法施行以来、25年間日銀にとっても私自身にとっても積年の課題であった物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う5年間にしたい」と語り、火中の栗を拾う覚悟を示した。