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インドのモディ首相、G7サミットで訪日前に首都ニューデリーの首相官邸で日本経済新聞との単独会見に応じた(18日)
2023-05-22
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G7で「グローバルサウス(新興・途上国)」の声と懸念を伝え、彼らの優先事項が議題に含まれるよう提唱する」と明言した。G7と中露の対立の中で途上国を巡る問題が埋もれてしまわないよう働きかける。インドは今年、中国やロシアを含むG20の議長国を務める。
日米豪印の枠組み「Quad(クアッド)」のメンバーで、中露が主導する上海協力機構(SCO)にも加盟する。モディ氏は「両方のグループに参加する事はインドにとって矛盾せず、互いに排他的なものでもない」と主張した。民主主義と権威主義の二極ではなく「グローバルサウスの一員として多様な声の架橋となり、建設的で前向きな議論に貢献する」と述べた。
モディ氏は昨年9月にプーチン露大統領と会談し「今は戦争の時ではない」と伝えた。発言の真意について「インドは平和の側に立ち、これからもそこに留まる。
私は『現代において戦争はあってはならない』と繰り返してきた」と説明した。又、国連改革の重要性も訴えた。中露と米英仏の対立で平和維持を担う安全保障理事会は機能不全に陥った。モディ氏は東西の大国が常任理事国を分け合う枠組みが「統治機関として限界を露呈している」と指摘。
「最大の民主主義国であるインドやアフリカ、中南米からの常任理事国を拒み続けるなら、安保理の意思決定の信頼性は常に疑われる」と主張、常任理事国入りを強く求めた。