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英シェル、日本商社が出資する極東ロシアの石油開発事業「サハリン2」で、シェルの保有権益を中国の石油会社に売却する交渉を始めた(欧米メディア報道21日)
2022-04-25
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ロシアと中国が手を組む可能性が出てきた。サハリン2はロシア初のLNGプロジェクト。ロシア国営ガスプロムが約50%、シェルが約27.5%、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資する。LNGの輸出枠は出資比率とは関係がない。年1,000万トンの生産量の内約6割は日本向けで、ロシアからのLNG輸入量のほぼ全量に相当、日本の輸入量の約1割を占める。日本の電力・ガス会社が長期契約で購入する。
残りは韓国のエネルギー企業が長期契約で購入しているほか、中国企業がスポットで大半を購入しているもよう。仮に中露がサハリン2の権益を握っても「長期契約の部分は守られる。当面、日本へのビジネスへの影響は限られる」(商社)。ただ、日本の長期契約は2030年前後に切れる。サハリン2の調達費はスポット価格より大幅に安い。サハリン2から調達できなくなると今の相場だと1兆円単位で国民負担が増す。高騰する電気やガス代を更に押し上げかねない。