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NY連銀、3日にもロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の代替指標になり得る担保付翌日物調達金利(SOFR)の公表を開始
2018-04-09
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規制当局はLIBORの公表が停止した場合、システミック・リスクを引起こすと指摘しており、SOFRの公表開始は数年にわたるLIBORからの切り替え計画の第一歩となる。SOFRは米国債のオーバーナイトでの現先取引市場に基づいており、日々の出来高は約8000億㌦規模。
金利ストラテジストは「(SOFRは)非常に堅調な取引に基づいている。LIBORにみられるような多くの問題や原因不明のボラティリティーが存在するとは思わない」と指摘した。ただLIBORからの切り替えは複雑で段階的になると予想されている。問題の1つとして、LIBORのように1カ月や3カ月などターム・ローン市場が存在しないことがある。NYの金融市場エコノミストは「期間金利の計算について同様の方法を考え出すのは想像しがたく、この事がLIBORの代替としてSOFRを採用するかどうかの大きな分岐点となる」と述べた。SOFRに基づく金融派生商品の流動性増加には時間がかかる見通し。CMEは5月7日にSOFRの先物取引を開始する予定のほか、大手ディーラーは年内にSOFRのスワップ取引を可能にする見込み。LIBORは2021年にも廃止される見通しで、各国中銀が代替指標の検討を進めている。英中央銀も23日から新指標の金利公表を始めるほか、ECBも20年までに公表を始めると表明している。