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英国のEU離脱に伴う欧州の金融ハブ争奪選は、もっぱらフランクフルトやパリが有望視されていた
2021-03-01
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しかし、実際にはレース序盤に伏兵のアムステルダムが先行する番狂わせが起きている。先週に公表されたデータによると、オランダの首都・アムステルダムは、今年1月に欧州の1日当りの株式総取引高である400億ユーロ占める比率が約20%とブレグジット(英国のEU離脱)前の同10%弱から上昇。欧州最大の株式取引拠点としての地位をロンドンから奪った。アムステルダムは株式取引以外の分野でも密かにライバルを出し抜いており、世界の金融取引市場で大きな力を誇った17世紀の姿を思い起させている。データによると、アムステルダムは企業上場拠点として年初来の実績がロンドンを抜き欧州トップ。ユーロ建て金利スワップ市場では、アムステルダムとNYのプラットフォームがロンドンからの流出分の大半を手中に収めた。IHSマークイットのデータによると、ロンドンのシェアは昨年7月に40%弱だったが、今年1月には10%余りに低下した。更にICE(インターコンチネンタル取引所)はCO2排出権取引を年内にロンドンからアムステルダムに移す予定で、アムステルダムはこの分野で欧州の重要拠点になる可能性大。